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手術動画・術中音声の取扱い

録画・録音を始める前に確認したい、個人情報保護、施設内での確認や手続き、診療・教育目的での院内利用、術中の会話の取扱いに関する一般的な考え方です。

IMPORTANT

本ページは一般的な情報です。個別の研究計画や施設における法的・倫理的判断を代替するものではありません。

01 / PRINCIPLE

基本的な考え方

診療過程で取得される手術動画および術中音声には、患者さんや医療従事者に関する情報が含まれる可能性があります。患者さんや医療従事者の権利利益とプライバシーに十分配慮してください。また、所属施設の規程を確認してください。

録画・録音前の確認録画・録音を始める前に、所属部署の責任者などへ相談し、施設内で必要な手続きを確認してください。

02 / IDENTIFICATION CODE

個人識別符号との関係

個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、身体的特徴を電子計算機のために変換した符号のうち、本人を識別できる基準を満たすものとして、次の種類が定められています。

  • DNA
  • 顔
  • 虹彩
  • 声の特徴
  • 歩行の態様
  • 手指の静脈
  • 指紋・掌紋

確認した範囲では、顔貌や氏名等が映り込まない体腔内画像は、通常、画像単体では特定の個人を識別できないと整理されています。体腔内画像そのものは、同ガイドラインで定められた身体的特徴由来の個人識別符号にも列挙されていません。

音声については、生の音声そのものではなく、音声から特徴情報を抽出し、話者認識等によって本人を認証できるようにした符号が個人識別符号の対象です。ただし、発言内容等から話者を識別できる場合や、他の情報と容易に照合できる場合は、音声録音も個人情報に該当する可能性があります。

区別が必要です

個人識別符号に該当しないことが、直ちに「個人情報ではない」ことを意味するわけではありません。他の情報との照合可能性を別に確認します。

参照:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」5~10頁(個人情報・個人識別符号)

03 / CLASSIFICATION

手術動画はどう扱われるか

手術動画は、記録内容だけでなく、院内にある他の情報との照合可能性や、保存・検索の方法によって取扱いが変わります。

PERSONAL INFO

個人情報

動画の内容、または診療録・手術記録等との容易な照合により、特定の患者さんを識別できるもの。

PERSONAL DATA

個人データ

個人情報に該当する手術動画を、特定の患者さんについて検索できるよう体系的に管理している場合。

検索できない形で保存され、「個人データ」に該当しない場合でも、手術動画の機微性を踏まえた適切な管理が必要です。

2022年11月2日に公表された手術動画に関する資料

なぜ医療機関での管理が必要なのか

個人情報保護委員会は、医療機器メーカーへの手術動画提供事案を調査し、その結果と医療機関が注意すべき取扱いを、同日に2つの資料として公表しました。

手術動画提供事案への行政上の対応
患者さんの氏名等を含む動画の提供、同意を得ない第三者提供、安全管理措置の不足等が確認された事案について、調査結果と医療機関等への対応が示されています。
医療機関への注意喚起
上記の分類と、区分にかかわらず手術動画の機微性に応じた管理が必要であることを、医療機関向けに説明しています。

各資料へのリンクは、本ページ末尾の「公式資料」に掲載しています。

04 / INTERNAL & EXTERNAL USE

診療・教育目的で利用する場合

手術動画と術中音声を診療・教育目的で利用する際は、利用範囲や取扱い方法に応じた確認が必要です。

院内で利用する場合

手術動画と術中音声は、診療内容の確認や術後の振り返り、院内研修・指導などに利用できます。所属施設の利用目的や規程を確認し、閲覧者を必要な範囲に限定してください。

補足:クラウドサービスへの保存が第三者提供や委託に該当するかは、契約や運用によって異なります。クラウドへ保存することだけで、一律に第三者提供となるわけではありません。

参照:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドラインQ&A」Q7-53・Q7-54

05 / INTRAOPERATIVE CONVERSATIONS

術中の会話の取扱い

術中音声には、術者、助手、手術室看護師、麻酔科医師など、手術に関わる医療従事者の会話が記録されることがあります。発言内容や他の情報との照合により話者を識別できる場合は、個人情報に該当する可能性があります。

術中の会話を記録する場合は、医療従事者のプライバシーにも配慮し、導入環境に応じて次の事項を施設内の運用方針として確認してください。

  • 録音目的と利用範囲を事前に説明する
  • 人事評価や勤務評価には利用しない
  • 相談・拒否の機会を設ける

術中音声の録音や取扱いに関する予備調査の実施例を知りたい場合は、相談フォームからご連絡ください。

06 / BEFORE RECORDING

録画・録音前の確認事項

  • 所属部署の責任者などへの相談と、施設内で必要な手続きの確認
  • 録画・録音の目的と対象範囲
  • 患者さんへの説明・同意の要否
  • 医療従事者への事前説明と、相談・拒否の機会
  • 閲覧者の範囲とアクセス権限
  • 保存場所、保存期間、削除方法
  • 外部へ提供・送信・保存する場合の利用目的、サービス提供者によるデータの取扱い、保存場所、契約条件、アクセス制御、必要な手続き
  • 個人情報が意図せず記録された場合の対応方法
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07 / REFERENCES

本文で参照した公式資料

本文の説明に対応する、個人情報保護委員会の公式資料です。実際の運用を始める際は、各資料の最新版と所属施設の規程を確認してください。

  1. DEFINITIONS / 定義個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

    「個人情報」「個人識別符号」の定義と、身体的特徴に由来する個人識別符号の種類を説明する、本文02の出典です。

    公式資料を開く
  2. CASE RESPONSE / 提供事案への対応手術動画提供事案に対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について

    手術動画の外部提供をめぐる調査結果と、第三者提供・安全管理上の問題を示す、本文03・04の背景資料です。

    公式資料を開く
  3. MEDICAL NOTICE / 医療機関への注意喚起「医療機関における個人情報の取扱い」に関する注意喚起

    手術動画が「個人情報」「個人データ」に該当する条件と、医療機関に求められる管理を説明する、本文03の出典です。

    公式資料を開く
  4. CLOUD SERVICES / クラウド利用個人情報保護法ガイドラインQ&A(Q7-53・Q7-54)

    クラウドサービスの利用が第三者提供、委託、またはいずれにも該当しない取扱いとなるかを判断する際の考え方と、安全管理措置を説明する、本文04の出典です。

    公式資料を開く
最終確認本ページは法的助言ではありません。個別案件については、所属施設の責任者、個人情報保護担当部署、倫理審査委員会、必要に応じて法務担当者等へ確認してください。